下の名前/アンテ
 
ん好きな曲弾いてくれた
わたしだけの演奏
あの娘にも弾いてあげたのかな
一歩リードしたかな

先生がチョークの音をたてて
黒板いっぱいに問題を書く
呪文みたいだ
勉強が手につかなくなって
どれくらいだろう
次のテストの結果が出るまで
が猶予期間

あの人に何度会えるだろう
ライブのない日も
会いに行っていいかな
なんの役に立ってるのだろう
わたし
なにをしてあげられるだろう

手焼きのCD
買うたび
ありがとうって笑ってもらえるだけで
幸せだった
支えてるんだって思って
でもたぶん
わたし自身が満足だっただけ
机の引き出しがいっぱいになっただけ
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