ねむりにつくまえのじかん/朧月
 
毎日が当たり前でうめつくされているから
あらがうこともしないでいた
それをひとは逃げというだろう

水分をとらないでいたら
いけませんよ おじいさん
何度いってもとろうとしない
おじいさんはいう
迷惑をかけたくないんだよ

頭でかんがえることはいつも
なにかにすぐぶつかってしまうから
考えたくないの
おばあさんはいう
迷惑をかけたくないんだよ

歩いているのにすすまない
なのに次の日になっているの
ねえおじいさん
おばあさん

もうなにも言えないで
その手にふれる
そっと そっと
あなたが迷惑という言葉を
いわないですむように
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