アンダー・ドアンダー/竜門勇気
 

虚しい言葉ばかり
上手に使えるようになってきて
悲しい顔を作るのも
なんだか自然な仕草で
気持ちのいー時も
うれしー時もそんな世界で
なんだか自分ごと
嘘になったみたいなんだよ

ポケットにあるもので
買えるものを買って帰る
ポケットが空っぽになる
耐えることも必要さ
耐えるのをやめるのと同じぐらいには

半端な夢を見ろ
何かが欠けたままでいろ
片目を閉じて全てを見る
ナトリウム灯が憂鬱を取り囲んで
影を封じてる
影は固く唇を結ぶ
そして僕らは旅の意味を知りにいく

ある街では
老若男女みんな同じ母親から生まれて
違う街では
その逆だ

虚しい言葉が役立たずになるまで
僕のポケットは空白を食い続ける
痛みのない虫歯なら歓迎できる
殻の中で無私の到来を待つ

こころのない言葉が影のないこころを
言葉のない気持ちが心の影に溶ける
痛みばかりの世界だ
何もかもが刺のない針で瞼を刺す

虚しい言葉しか使えない
嘘臭い顔でしか生きれない
自分の気持ちでしか思えない
その気持ちでしか動けない
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