太陽とデニム/オダカズヒコ
 



耳をふさいだ
魚をたくさん入れたバケツをひっくり返したように
空は近距離で
青かった
今夜あたりが祭りの頂点か?
ぼくは彼女の心を缶詰に入れて
持ち歩きたい気分だった
完全に思考を止めてしまうと
大きな問題が一つ残った
本能を直撃したのもが地面に弾んで
落涙したのだ

四条烏丸通り
車のハンドルを切ると
ぼくは百貨店の中で売買される無数の虚無たちと出会わなければならない
ゆえにこうなのだ
人は恋をすると
禍々しいに死者たちの記憶にさいなまれ
空間を構成するすべての要素と溶け合うのだ
例えば東急ハンズで売られているエッフェル塔のピンナップ
ロフトの
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