初恋/
岡村明子
白い砂浜に続く足あとが
あなたの逡巡の時間だった
五月
私とあなたが確かめ合った
ただ
それだけ
テトラポットの陰で
立小便をしていた男の子が
唯一の愛の証人であったことなど
知る由もない
風が散らした
金色の飛沫
檸檬
はじめての
味
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