理由/
たもつ
理由のいらない椅子が並ぶ
未明に墜落した紙飛行機の残骸と
食べかけのルーマニア菓子
砂浜の砂の数は
既に数え尽くしてしまった
栞の代わりに挟んだ魚が
静かに発酵して
すべてのことはいずれ許されていく
そんな様子を見ながら
道化師はひたすら
間違い電話をかけ続けた
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