「あすなろの森」 2015.06.23 (一二首)/もっぷ
いつ来てもこの森のこびと水玉のきのこの上で太宰読んでる
月満ちて星も降る夜のあすなろの森にだけある月光浴場
空からすら激写できない森がありだから神秘はスクープされない
あすなろの幹に水栓ついている/ひねると弾ける金平糖シャワー
うさぎさんお茶でもいかがと誘ったら三月それがあすなろの森
蕗の葉の傘を見立てる時にだけエメラルド色になる池がある
門番は一〇〇〇年前に息絶えていまはこびとだけの森がある
みてごらんきのこに載ってはしゃいでるこびとはほんとは太宰読んでる
あすなろはあすなろだから良いのだと言うひとを待つこびとは太宰/
あおぞらをみあげるこびとをみかけたら永遠の鍵をもらったしるし
あしたこそ虹が架かると信じてるこびとが居たらそっとしずかに
とある森で拾った名刺をみてみると「詩人・(※考え中です)」とあり。
戻る 編 削 Point(1)