入道雲/斎藤 九
 
夏、紫陽花が枯れる間際に
綿菓子のような雲が流れる

雷が鳴らないかと
干した布団が夕立で濡れないかと

そんな心配はお構いなしに
もくもくもこもこ空高く積まれていく

暑い暑い汗にまみれながら
空高く積まれていく雲を仰いでいる

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