過去たちの春夏秋冬/水鳴ハヤテ
 
  

【春想】


  春桜

曜の朝はゆるやかに光っている時間があって薄紅の花



  紫   

あたたかなひかりのなかで流れゆく時をからめて今日も旅行く

むらさきの朝が来るたび思い出す君の歌声もう遠くなり



  淡き春

どこまでも手を伸ばし待つ春という光に不断桜震える

かなしいか水鳥のゆく川原にて幼き日々の足跡に泣く



  葉

はれていることにとまどいながら占める扉の鍵の木の葉の形



【夏祈】



  夜風

ひたむきに藍を奏でる風ひとつあなたは雨を探していますか


  雨 二
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