記念日/アンテ
とてもはずかしい過去が
前触れもなく頭のなかに広がって
それはたいてい
取るに足りないできごとで
でも忘れられない理由を
ほんとは知っている
とても大事な思い出に
溺れないためだ
絶対に忘れないよって
誓った記念日
今でも覚えている
毎年同じ日に思い出作りなんかして
タイムマシーンがあるなら
やめさせに戻りたい
ああ でも
ケンカしなければ
今でも続いてたのかな
同じ夏の日
ギラギラした太陽に急かされて
思い出の道をたどってみる
携帯電話で道順をたしかめながら
でも案外
記憶そのままだった
こんな時に限って
取るに足りない記憶がやってこな
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