火葬場/
草野大悟2
股関節に
くるまれた
つや消しのまるい漆黒
( 恥ずかしげ、に詠う
五円玉八個
さきに行った大地、の
一面の花
( そよぐ静寂、楽しげ
追いかける煙は、
青を突き破り
おおきな、森に、
( 薫る
灼熱の、喉仏は、
八十八の波を、
ベージュ色に
煽動する
( うつむく言葉に
どこかに
オレンジ、の
どこかの
魚、の
膝の曲がった
虎たち
( どこかへ
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