茜音/
もっぷ
はやくおうちに帰りましょう
と合図の童謡が鳴って
その日はじめて空は気がついてもらえる
六歳のまなざしは
あおい空には向かわなかった
夕空が少女に語るのは いつでも
あきらめる時に踏む手順と
彼女の 無力 だったけれども
六歳にとって日日は独立していて
その日のポエジーはその日だけのもの
その日の、その後 も含めすべてが
その日が終わるまでのものに過ぎなかった
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