HASAMI/竜門勇気
 
袋が
デカいはさみで切り開かれる
無意識は逆の動きをしてる
無意識をねじ伏せるんだ

水たまりに猫がはねる
猫のふりをした僕かもしれねえな
だってほら
七色の笑顔が宙で光って消えた
冷たい初めてを触ってる
こんなもんがここにあったなんて知らなかった
頭の奥がすっと冷えていく

悪かったよ
本当に悪かった
そんときはそう思って喋ってたんだ
だってほら
頭の奥が冷えて縮む
薄明かりの夕暮れに目覚めてまた眠る
はさみは無意識と逆に動く
はさみを信じて生きていく

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