Night worker/帰り道/
 
Night worker /帰り道
新しい日付の刷られた朝刊が駅の売店の前に置かれる

深刻な顔で今にもつり革で首をつりそうなサラリーマンが車内で揺れてる

パンパンに人がパックされた環状線が彼らの定年まで続く輪廻だとしても

車窓から景色を眺める余裕を忘れなければ その中でもきっと笑える

唯我独尊唱えて 次の駅で降りて

気楽なフリーターになった俺も

一晩働いた疲れで筋肉痛になった脚が枷になって

向かいのプラットホームへと繋がる階段すら登れずにいる

心臓バイパスみたいに生活の大事なところに繋がれた夜勤手当

今更辞めることなんてできないだろ?

[次のページ]
戻る   Point(1)