竹婦人/
草野大悟2
補色の皮膚にくるまれた
みずみずしい
くれない色の球体、に
浮遊する
ありふれた夕暮れ
しゃりしゃり、と
浸食される空から
ふきだす
涙形の星が、
しゃぶり尽くされて
裏葉緑青の毒に化けた
蛇衣を脱ぐ
言葉たちが
まとわりつく肌に
相槌をうっている蚊帳、の
吐息がきこえる
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