Fear/決意/桂
震え続けるコンパス指針
粉々に壊され砂塵となったあの頃の自信
ああ ここはきっと例の樹海
ルービックキューブのようにバラバラにされた東西南北
あの頃の想いはもう迷宮入り
何度も同じ木の横を通り過ぎ
何度も同じ考えが頭をよぎる
振り返ってみた足跡は
波打ちぎわに書かれた文字みたいに頼りなくて...
長く凍っていた恐怖が溶け出して
メルトダウン
とっさに飛び上がって 木の枝の一つを掴む
下を覗くと
蛇がネズミを一気に飲み込むときのように
底なし沼が落ち葉の上に寝そべっていた大木をゆっくりと飲み込んでいった
「次はお前の番だ」
風に吹かれガサガサとなる葉音が
心を揺さぶり脅す
一枚だけ外に取り残された洗濯物のように
惨めに夜風に晒されながらも
必死に今にぶら下がって
恐怖が乾いて
また決意が固まるのを待っている
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