黒い山/片野晃司
 
わたしたち、ちいさな山のちいさなおうちで、朝食のお皿を並べて二枚、三枚、並べているうちに足りなくなって、並べても並べても足りなくなって、テーブル継ぎ足しても足りなくて壁つきやぶって外に伸ばして、それでも足りなくて木の下に小屋を作って、木の上にも作って、枝を組んで葉っぱを乗せて、穴を掘って土をたいらにして、雨で流されて風で飛ばされて火事で黒焦げになって、それでもすこしは生き残って、ちいさな山にちいさなおうちを建てて、また殖えて殖えて。

プリン食べたい。お皿に出してプリンを食べたい。牛乳はよく噛んで、コップも噛んで、お皿も噛んで、テーブルも、床も、土台も岩もみんな噛み砕いて、ベルトコンベアで運ん
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