Fairy Tail /草野大悟2
ちいさな
とてもちいさな
水滴が
星をちりばめた環のように輝く
ちょうど空になるところに
蜘蛛が
浮いている
ため息が
ふうわり、ふわり
糸をゆらす、と、
おおくの補色たちは
溶けあい、
うっすらとした
午前十時五十分を
描きだすのだ
濡れる樹々
ひとつになる匂い
混濁する森
隠れているのは
きっと
尻尾を踏まれて
魔物とよばれるようになった
妖精?
気づいたとき
環のまん中で磔にされていた
虹の骸の背中が割れて
永遠が産まれたんだよ
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