生命の限界/水素
 
最初は小さな三角形だったはず
たしかしっかり覚えていないが
たまに心許なくて増えた
二つになったときは、もう、嬉しくてうれしくて
そのうち全体が三角形になるように、綺麗に積み上げた
大きな目で見ることが出来るって、誰かに自慢したかも
ただ、ほんとうに完璧にきちんとできなくって
外側の角っこに埃とかが付いてきた
掃除を楽しむ余裕が出来たのかも知れない
今までは汚れても放って置くしかなかったし
ときどき、埃も自分の一部に感じられた
こう、生き物の毛皮とか、服っぽい安心感
この前、裾を踏んでしまって危なかった
転がれることに気づいたきっかけがこれ
そのまま転がっていくと面白い、
どんどんと身体がもこもこして来る
乗り物に乗ったかのように、どんどんコンフォータブル。
このまま中身が耐えられる限り、世界中を乗り回そう。
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