密室/ゴースト(無月野青馬)
たことがなかった)
(だからといってやる気がないわけじゃない)
(メモ帳くらいは残しておきたいと思った)
(何の役に立つのか分からなかったけど)
(気が晴れたから)
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真空管アンプみたいな密室の中
“白骨化くん”の手書きのメモがある(あと骨も)
なんとか意気消沈しないでいられる
“わたし”の気はけっこう紛れる
ありがとうという言葉は
こんな時にこそ吐くべき言葉なのかもしれない
−・−・−・−・−
“白骨化くん”は何日間この密室の中にいた?
何日間生きていられた?
“わたし”も気が晴れるようなことをしておきたいって
“きみ”を知って思った
“わたし”には何が書けるか
どんな言葉を残すべきか
“わたし”は居直った
吸入器も捨てた
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