背徳感/
智鶴
そびれた烏が啼いて、鳴いて
泣いた
煙草を消して意味になる
取り戻せない後悔と灰が漂う空間で
君は霞んで、まるで別人
息苦しいほど
独りよがりの背徳感
唯一
信じられる筈の体温に踊らされて
あぁ、全て幻だったのかも
僕は幸せ、伏して背合わせ
冷たい床と体温だけ愛し合って
世界を裏返して初めて君が嘘だって知った
桜の香りがしていた
君が見える度に不安定な眩さが
暗転する
本当は
寂しくて仕方なかったよ
ほんの一瞬だけでも君を手に入れた
そのせいで
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