背徳感/智鶴
間違い始めた瞬間には
それが過ちだなんて信じられない
僕は幼くて
君は僕にとって煙草みたいなもの
手頃で歪な灰と空間だった
君がそれに気付いていたのかは
もう今さらどうでも良いけれど
呼び鈴の代わりに掌で嘘が震え出した
君から始まる今日の嘘
朝靄の霞む匂いの中
背中で囁きを感じながら
誰も知らない道に迷い始める
何処まで続いているんだろうね
何処まで間違って行くんだろうね
物憂げな鉛が空に浮かんで
教会の咎めを聞きながら
求める度に君はいつでも霧に隠れてしまう
目覚めた時に感じる左腕に
罪と意識、そして不安
まるで蜜のような唾を吐き付けた
寝そび
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