自我像/十七歳/かんな
零をさがした朝に目が覚めると
太陽がたったひとり寂しそうで
誰もがこどくを噛みしめ針の痛さに怯える
ことばの痛みを恐れる
決して優しいことではないけれど
幼い頃何も知らずに踏みつけた蟻を
今思い出し泣いてしまう弱さ
毎朝種をまいてわたしを育てる
自分という花を咲かせたいだけなのだと
生へ生へと幾度も執着して挫ける
将来という曖昧なレールに安易に乗れずにいる
不器用なのだと誰かが言う
昔書いた拙い詩の四連目から脱落していく
絵本が好きだったのです今でも好きです
記憶がわたしの存在証明なら嬉しい
今日は暑いかもしれなくて喉が渇く
数えきれない繋がりの
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