天体患測/じぇいぞろ
 
恒星、惑星、箒星。
いま、恒星の求人倍率が異常に高い。
きつい仕事だからね。
一等星になるという建築的な意志或いは
自治会の申し合わせのようなもので
維持される宇宙。

何万年、何十万年なんてのは
事実上不可能でソーラーパネルで
延命させている。
定期点検のときはNASAが月の裏側から、
プラネタリウムを投影している。

箒星は地球で暇つぶしする。
「ねえなんで君は星なんて見上げてる?」
「分からないな。死にたいからかな。」
「それで、救われたかい?」
「いや。」

必然性を失っても、
今日も晴れている限り天幕へ
引っ張りだされ、
無理やり高輝度LEDを点ける。
ひとつが欠けると星座にならないから。

曇天で休みの夜。
「せちがらい世の中だ。
だれも宇宙にロマンなんか
持っちゃいないのに、
キザなカップルや夏休みの小学生の
宿題のために光ってなくちゃいけない。
まあ、それも最近少なくなったが。」

そういって、恒星は小惑星に腰掛けて、
煙草をすった。
戻る   Point(1)