風のいたずら/灰泥軽茶
 
川沿いに座る
気持ちの良い風
どこからか
遠くだろうか近くだろうか
電話のベルが鳴っている

ちりりりりん
ちりりりりんと
よく響く黒電話の音

ベルが止む
誰かの話し声
年老いた
誰かの世間話が抑揚もなく続く
どうでもいいこと
どうにもならないこと
凪ぐ人々落ち着く風景

自転車にまたがり
そよそよ漕いでいると
若い子たちが小気味よく
ランニングしながら
楽しそうにお喋りしながら
すれ違い去っていく

戻る   Point(4)