冷たい朝に/伊藤 大樹
 
地球はまるい
僕はとんがっている

宇宙は広い
僕の心は窮屈だ

光は速い
僕はいつもびりっけつだ

秋の日が暦に倣うころ、僕はあまりにも目覚めよく曇り空を眺めていた。フィレンツェの農夫
はまだ眠っているだろうか、それとも……とまで考えて僕は冷たい朝にパンを頬張った。
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