砂に消えた街/はて
雨が降りしきる校庭に
水溜りがいくつもできて
近くのものとくっついて
足には跳ねた泥がぽつぽつと
土から染み出した水溜りも嵩を増して
校庭が埋まっていく
靴にも染み込んだ雨がしんしんと
街灯や部屋の灯りが点る
四角い湖は夜が縁取り
ぼんやりと街が浮かぶ
ポリゴンの再現風景がちらちらと
湖の上を 街を濁らせながら
校門を後にした
雨はいつまで降り続けるのだろう
テレビで前に見た
さまよえる湖のほとりで栄華を誇った
ミイラの女王様がいた街
眠りに遮られた夜が明けている
雨はいつの間に止んだのだろう
朝の校庭にはざらざらと
水の跡だけ残っている
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