藤の花に/
亜樹
藤の花に締め上げられてる杉の木が声も立てずに朽ちてゆく初夏
通学路の木の葉の影を覚えてるもう二度と通わない道
肌の色が日に日に焼けてく子供らが通りてく百日紅の下
「まあだだよ」探す気のない鬼を呼ぶ茂みが揺れる「もういいよ」
あの雨が私の知らない真夜中に私の牡丹を盗んで行った
朴の花に見下されるわたしとあなた似た者同士よ並んで歩こ
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