ミルクケース/瓜田タカヤ
好きだから
女の足を折ってしまったり
小さな女の子を連れて来てしまった
寒い部屋の畳のへりに沿って
きれいに寝ころんだ女の子は
これまでに一度だって
浸食することのなかったであろういみじい前髪を
冷たい畳の上にしたらせ 空(くう)を見、白い息を吹いた
何度でも呼吸できる小さなポンプは
薄い磨りガラスを濁らせた
緩く縛り付けてあるんで
その気になれば抜けれるんだが
僕を怒らせない程度に睨む視線が
その肢体を微妙にくねらす位しか反応しないのを
気弱に告白していた
足の折れた女は(それを僕のせいにするような
おかしげな行動にでるんなら、出るところに出てや
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