願う/文字綴り屋 ひじり
いつの間にか
君と僕は
違う道を歩いてた
あの時じゃなくても
たぶん
いずれは訪れる時だった
だから君を憎んではいないよ
ただわかっていても
寂しくなっただけだよ
離れていく後姿を
僕は見送ることもしなかった
君も同じように
見送ることもしなかっただろう
2人とも振り返ることなく
真っ直ぐに歩いて行った
それでもまだ僕は
鎖に繋がれている気分だった
君の面影
君との思い出
時間に押しつぶされていく中で
不意に浮かび上がる君
抜け出したくて
がむしゃらに走った僕
でも気が付いたよ
疲れた顔で鏡を見れば
心配そうに僕の顔を覗き込み
僕を慰
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