霧雨/
這 いずる
顔に張り付く髪の毛を
うっとおしげにかきあげるあなた
その横顔に見とれ
私が霧ならば良いのにと
思う
その霧ならば
うっとおしげにされても
あなたに影響を与えられる存在でいれられる
だからいいなと
思う
それになれる訳もなく
私はただの人であり
見とれるだけの人であり
関わることのない人であり
霧雨ほどの関わりもない人であり
あなたの頬をまとめて滑り降りる
露のような涙に憎悪した
お題:霧
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