広場の悲しみに/プテラノドン
悲しまないで悲しんでいるような男や女が
広場になだれ込む
梢の上 彼の手は彼女の腰を出発した ようだ
ジュテーム ジュテーム 利根川に雷魚が戻ってきた
またもや文字は泳げなくなった
誰も見えやしない 見向きもしない回送バスの運転手は
意気揚揚とクラクションを鳴らす 空の乳房めがけて何度もだ!
《フクロウの叫び声かしらん?》胸元が脈打つ女の問いかけ
《・・・》ドン・プテラノは無口だ
「空白」 の広場で怯えた者は
ことばを読みも書きもしない。数える指も持たない。
僕はスプレー缶を握る指を持っている。
今夜 橋の下にせまりくる 一人から混在する煙
壁は言葉になり歌にな
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