あなたが明日も日本語を読めますように/竹森
 
ついつい、
人を殺したくなるので、
伸ばした黒髪で、
十本の指を縛りつけ、

あの街角には、森の声、
花の咲かない街では、
ささやかな、比喩を分け合う、
蝶々たちの、いじらしさ

ポスターを剥がすな、それは、
あなたを、あなたたらしめている、
皮膚を覆う、皮膚。
そのすぐ後ろには、夜空の星のように、
それぞれが、割り振られた、番号ではなく、
血の器には満たされないで、自らが器となる、潰れた眼球。
(指輪をはめるよりも、肌を打ち、かつ、染み入らない雨。
(ああ、これが、ルビを振られる、感触、なのでしょうね。

人間は、
幽霊の肌の青色に、
黒人の、
忌まわ
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