誰にも何にも影響を与えない散文詩/左屋百色
君が詩を書いていると知って
私も詩を書いてみたけれど
書けば書くほど
言葉を見つければ見つけるほど
君のためにできることが
ひとつもないと知りました。
何のために書いているのでしょう
難しいことが
何もわかりません。
誰かのためになるような詩は
存在しないと知りました。
そんなものは詩ではないと
私は定義しました。
だから
これからは
その定義を壊すために
書いてみようと思います。
君のためにできることなんて
私以外の人に任せて
詩を書けばいい。
優しさのかけらもない
そんな言葉が好きです。
人を傷つける度に
私は私を試して
死にたくなる夕方を
明るい言葉で埋めてきたから
君は何も定義しなくていい
そして
君の詩が
私に影響を与えることはない。
君の言葉は優しいから
今日という1日を
簡単に包み込んでしまう
私には
それがわかりません。
私は
誰にも影響を与えず
何のためにもならない
そんな詩を書きたいのです。
君のために、
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