Slow Evolution/大島武士
 
いんだ 
相変わらずの恋の歌を

ゆっくりとしたペースで 
似たようなことを繰り返しながら
少しずつ昨日と違ってゆく
時代の闇に光を見失っても
ポケットの中に小さな太陽を忍ばせた人々の住む
そんな世界で

無線の回線の向こうで世界と繋がれて
いつでも豊かさはいっぱいで
「いらないものが多すぎる」けれど
それでもなぜかお腹が空かせていたまま
小さな小さな沢山のやり取りで
確かに空と繋がれている人々の住む そんな世界で

善悪の彼岸でただ平和を願おう
景色がずっと変わらないまま
年老いた男が相変わらずの恋の歌を歌って
それでも 去年と少し違っていたなら
新しい曲を待っていた 空腹な日々を愛おしみながら

ゆっくりとしたペースで
似たようなことをめんどうくさがりながら
ありふれた 新しい恋の歌で 
僕らは空へと繋がれている

ありふれた恋の歌が
前とは少しだけ違うリズムだったなら
僕らは空への階段を
ゆっくりゆっくり昇ってゆくんだ


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