朝/葉leaf
全ての生命が鉱物のようにまどろんでいる
太陽は新しく昇ったばかりの新人で
世界の照らし方がわからない
ぎこちない光を浴びながら
水のように低くしたたかに歩道を歩く
私はすべてを根拠付け、そののちすべてに根拠付けられる
鳥の声を余すことなく撃ち落とそう
鳥など存在したことがなかった
ただ甲高い鳴き声だけが存在した
あの羽の生えた飛ぶ生き物は鳥ではない
甲高い声の主、その音源こそが鳥であり
それはあの生き物ではなく
空間の無意味さである
電車は悲しい歌を歌っている
とても感傷的で、過去を振り返るような
かと思うと勇壮な行進曲を歌ったりもする
時間は混沌として何の意味もなく
電車は昼も夜もどんな季節も通過して行く
私をいつもの場所に連れて行くがいい
この混沌の時間を横切って
建物はつめたい
どんな熱を受けようと
無に帰してしまうのが建物だ
建物は意に反して立っている
設計も建築もこんな大きな体もいらなかった
建物は失意そのものだ
いつでもつめたい物思いに沈んでいる
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