ふたつの世界/葉leaf
 



友人との親愛に満ちた深い交わり
職場での同じ目的を目指した連帯
花も木もすべては私の感官を刺激し
口から溢れ出す言葉が止まらない
これが一つの世界だ

だがその世界だけでなく
私はもう一つの世界を生きている
友人との間に傷のようにある断裂
職場になじめない孤独性
大自然にもはや何の感興もなく
すべてのものに沈黙を強いられている
私はそのような世界も生きている

だがこのふたつの世界は実は全く同じ世界
世界の割り方次第で断面が変わってくるだけ
ひとつの世界は矛盾した一個の卵の化石
何かが生まれようとしてそのまま死んでしまった
そんな無念の中で矛盾を抱え込んだのが
私の生きている気難しい世界

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