四月一日/黒木アン
 

人の企みなど知らぬ大海に
旅の憂いを語る惨月がゆく

人の営みなどしらぬ夕陽に
今日の無言をあずけて

誰かの眠りの時々
遠山にある真っ直ぐな
針葉樹のならびに
あらゆる讃歌を探したい

晩景でみるひろびろとした野原にでて
水鏡との境にたてば
虚実の空も真実も
天から沸く陽
地から活き水と

人の正体が
魂なのだと
わかるのだろうか

残った悲しみに
寄り添うだけの日にする
四月一日
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