むつかしい詩/高濱
気底花圏の馥郁たる相続、
常夜燈
その藍青の夜の臍に稔る畑
コリントの四季の修飾
つまり彫刻家達の唯美への指向へ狭窄して行く
石膏の残骸、
その薔薇の臓物が
裂罅より横溢し乍ら括られている
飢餓の存在、
安寧の表裏に
純粋化を果された環境前程に拠る淘汰などを
微視する網膜、
喩えば撓む薔薇物語の放蕩
そして絹に縁る存在の埋葬、
その悉くを髄液は
仮構し、
建築体と安息週間の著しい優越の、有限性
既に酵素反応的生化学とその諸々の種子は
現象の闡明に希釈され
脳髄と神経の樹
舞踏の偶然、
総ての感受と、熟慮は
精神の創物と呼ぶべき諸々の観念の、
抽象への親和性に許ずく
禽舎と謂う隠喩に
内在する死への契機であり、
非概念の為の城砦
痙攣する心像、
それは映像の時間的聯続性に
胸像の閑散たる美術展に縁り乍ら
何れ前鋭理念の、撤退以降に
骨董の幾許かは漂泊する、
世紀毎に終端を縫綴じる幾多の麗しい呪いへと
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