空に私はいないのだから/はて
 
上を見上げたその目は何を見ているのだろう
もう私を見なくなったその目で

すっきりと広がった青の空か
目を焼き尽くすほど明るい太陽か

あなたを微笑ませているものは何だろうか
私ではできないことを与えているものは


上を見上げたその目には何が映っているのだろう
もう私が映ることが無いそのガラス体に

熱を奪っていく風の軌跡か
目の前を通り過ぎる人々の思念か

あなたは ここにいないような気がして
それでも あなたは 目の前で何かを見ていて
悦に浸り佇んでいる あなたは
私を見ない

もう私を見ない目は潰してあげるから
あなたを抱いた私に腕に縋りつけばいい

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