感傷的なスペース/
岩下こずえ
のび太は45度の傾斜で回転している
しずかはパラソルのかげにそっとかくれた
スネ夫のせなかを割って羽の生えつつあるとき
ジャイアンは足枷の鎖を見つめている
未来のともだちのいない空き地は
いつまでも笑顔のままで
のび太は耳から輪ゴムをひとつこぼして倒れた
パラソルが風にあおられたあとには何もない
スネ夫の羽がおもみに萎えてゆく白昼に
ジャイアンがうたうそのうたが電磁波
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