詩 二篇/
月形半分子
重ねるたびに
不謹慎になっていく笑い
自然の摂理
信号待ちの間に思考が粒子になる
粒子が法則という形の螺旋になる
螺旋が二千年前の空へと向かう
二千年の姿の空が私だ
私が信号待ちをしている間に……
こんな白昼夢を見るのは
ヘッセのせいかしら
ヘッセが銀杏の木のように
二千年の夢の中にたっている
二千年の美の中にたっている
詩人を愛する度に
約束が枝に帰っていく
枯れるために
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