私自身にしか聴こえない歌/yamadahifumi
広い世界に出るなら
風をひとひらください
私の言葉が間違っているとあなたは
指摘しないでください
あなたの言葉が何であるか
私は知りません
私はいつも眠っています
私はいつも、「眠り」の中で眠っています
だから、言葉はいつも
あなたにささやきかけるでしょう
だって、この世界は一つのおおきな夢
まどろみの中で咲く花にすぎないのだから
人はドラマを基準に、フィクションを基準に
自分の現実を計っています
そしてその測量によって現実が造られると
思い込んでいるのです
だから、この世界は偽花ばかり
でも、本当の事を求めると私は
世界から孤立してしまう
だから、私は世界から孤立して
自分の歌を歌います
世界平和も戦争賛美もどっちもうんざり
私は私自身の中に閉じこもって
歌を歌います
…私自身にしか聴こえない歌を
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