(*^o^)/\(^-^*)は、だあれ/るるりら

おかげで このあたりの海は 僕のふるさとの川の匂いがするよ。迷子の僕を ここまで 案内してくれてありがとう。
君の体の中は なんでも そろっていて 素敵だったよ。
本だって なんだって そろっていたけど、 なぜだかどうしても故郷に帰りたいのさ。
ずいぶん 遠回りをさせたのかもしれない。くじら君は しばらく だまっていたけど、しずかに ゆっくりと
最後だと 言い聞かせるように、こんなふうに 言ったんだ。
「いいんだよ。また きみような 親切な さかなに からだの中でくらしてもらうさ。すてきな家具や 本だったろう。そうだ 君のこどもたちに くじらの話をしてやってくれ せっかくのいい部屋だから また 誰かに使ってもらうさ」
そういって、くじらくんは 素敵な尾を ゆっくりと 海の底にしずめていったんだ。ぼくは、これから 恋をして、僕のたまごには この話をしてやろうと おもっているのさ。
お し ま い
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メビウスリング三月課題 工藤直子作「ともだちは海のにおい」勉強会参加作品より二編
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