やわらくて、むちゃくちゃにかなしい、ぼうりょくてきな、ミュージアム/竜門勇気
 
し誇りもできない
白い石膏のように顔を歪める
でも
それでも
必死だったんだ
あの時本当に必要だったんだ
要るって思ってたんだ
無いなら無意味だって知ってたんだ
今 無意味のほうがそばに居てくれる

笑顔の学芸員が全てに説明をくれる
あんまりにもおかしくて
腐ったタバコのように呼吸した
何人かの顔写真と遺物のようなアクセサリーを見て
もう一度学芸員の顔を見て

横殴りの太陽
直角の闇

届かなかった気持ち博物館
もう一度訪れるかもしれない
今度はポケットは空っぽで
あの学芸員にも出会うだろう
僕の拳の痣と血反吐の跡をもって
増えたコレクションを熱心に笑うんだろう


戻る   Point(1)