子宝/朧月
 
絵本をかくひとの
胸のなかで
小さな女の子と男の子が
住んでいるとおもう

絵本をよんだひとの胸のなかでも
小さな女の子と男の子がうまれてゆくんだとおもう

そして
そのひとがしんでも
一度うまれてしまったこどもは
ぜったいしぬことはない

絵本をつくるひとは
知らない間に子だくさんになっているから
さみしくないんだよ
すごいことなんだよ

あたしは
そんな詩をかいて
女の子と男の子を
こっそりうんでみたいとおもっている
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