温度/
佐倉 潮
冬の冷えた室内で
窓辺から入るわずかな
陽差しの温もりになぜだか
懐かしい気持ちになる
思い出と呼ぶのには
あまりに淡い
その柔らかな温かみは
時間という毛布を
かぶせた記憶の温度と
おなじ目盛りを指しつつ
この部屋と私をつつむ
タイムマシーンのようだ
冬の陽はまるで
− Temperature
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