停車場 /オダカズヒコ
 


使っていない手帳を時々めくる
明日の予定はどこにも書かれていない
その余白が持ってる白は
明日になっても
やっぱり空っぽのままなんだ

約束で繋がっていた
あなたの名前と日付も
もう書かれることも
ないんだ

猫科の動物に似ていたあなた
晴れた日に路地を入った狭い店で
痩せた野良猫のように肩を並べて
座っていたぼくら

明るい陽の下で
カウンターに孤独を並べ
座っていたぼくら
たまには店を抜け出し

列車に飛び乗り
あの標の立つ街まで行ってみようか

そこはとっても遠い場所だから
空っぽの手帳に書き込む
ファンの鳴る部屋で
ペンをとると
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