月の光が照らす誕生と消失の海原/komasen333
 




繰り返し
押し寄せてくる波に
先人の営みを思い起こさせられ、静かに涙を拭く



繰り返し
吹き寄せてくる風に
未来の営みを思い起こさせられ、静かに決意を新たにする



うっすらと 月光で照らされた 海面の中へ
うっすらと 月光で照らされた 海原を泳ぎ始め



故郷へ戻る時のような高揚を覚えつつ
誕生の鼓動を再現するような感動を滲ませつつ
消失に向かう時のような静寂に耳を澄ませつつ



冷たくもない 
あたたかくもない
海水の温度に浸りきって



明るすぎない 
くらすぎない 
真夜中の海原を 
ゆっくりと しっかりと 泳ぎ超えてゆく

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