かものはし/nonya
心地良い朝を吸い込んだら
迷子のオキシダントが
途方に暮れているのが分かった
悔しすぎて歯軋りしたら
心配性のフィブリノーゲンが
身構える気配を感じた
本当を言い当てられて黙ったら
お節介なノルアドレナリンが
貧乏ゆすりを始めた
恐る恐るキスしたのに
彼女のエストロゲンが
笑顔で後退りしようとしていた
生まれつきとんがっている
僕の唇は感度が良すぎて
余計なことまで分かってしまう
でも得したことなど一度もない
食品添加物の痛みや
窒素酸化物の苦さが
分かったところで嬉しくない
僕はクロマトグラフィじゃない
おまえは卵で産んだの
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