かものはし/nonya
 

心地良い朝を吸い込んだら
迷子のオキシダントが
途方に暮れているのが分かった

悔しすぎて歯軋りしたら
心配性のフィブリノーゲンが
身構える気配を感じた

本当を言い当てられて黙ったら
お節介なノルアドレナリンが
貧乏ゆすりを始めた

恐る恐るキスしたのに
彼女のエストロゲンが
笑顔で後退りしようとしていた

生まれつきとんがっている
僕の唇は感度が良すぎて
余計なことまで分かってしまう
でも得したことなど一度もない

食品添加物の痛みや
窒素酸化物の苦さが
分かったところで嬉しくない
僕はクロマトグラフィじゃない

おまえは卵で産んだの

[次のページ]
戻る   Point(19)